青田売りにおける購入者側のメリットは、契約を済ませたときに、建物の工事がまだそれほど進んでいないことだ。つまりその時点であれば、住戸の中なら設備機器類の追加や変更はもちろん、床、壁の素材や間取りも十分変更できるという点である。不動産会社が、購入者側から出されるフルオーダーに対応してこそ、買う人のための青田売りといえる。フルオーダーといっても、たしかに制限はある。玄関扉やサッシは共用の施設だから替えられない。配管用のパイプスペースの位置についても、上下階のつながりがあるので変更はできない。だがそれ以外は、不動産会社の設計センスやそれを補う技術、そして何よりも面倒な作業に対応しようという意欲さえあれば変更不可能ではない。逆にいうと、まったく変更できないとか、ここまでしか変更できないというように制限を加えている不動産会社には、購入者のためのメリットを実現しよう、という意欲がないのである。