JR新橋駅近くの「東京ツインパークス」と、JR品川駅近くの「品川Vタワー」、そしてJR飯田橋駅近くの「東京レジデンス」だ。いずれも、再開発エリアの超高層マンションで、5000万円前後で買える3LDK、2LDKが多かったために爆発的な人気となった。が、注目すべきは、そのつくり。当時としては画期的な工夫が随所に盛り込まれていたのだ。例を挙げると、IHクッキングヒーターやディスポーザー、外国製のシステムキッチン、床暖房を備え、二重、三重のセキュリティを配備。建物の耐久性が高く、将来の間取り変更や設備の入れ替えが簡単に行えるような工夫も採用―それまでのマンションとは大きく異なる点が多かったのである。3つのマンションによって「都心マンションブーム」が起きたことも含め、まさにエポックメーキング=新時代を切り開く事だった。2001年以降、日本のマンションは変わった。それは、技術立国日本が生み出した「21世紀マンション」と呼べるもの。世界的にまれな耐震性を持ち、鉄筋コンクリート造として驚異的な寿命を備え、比類なき最新設備を惜しげもなく注ぎ込み、圧倒的なセキュリティを備える集合住宅である。しかしながら、それがどれほど優れたものであるかはあまり知られていない。日本製の車が進化し、日本製の家電が世界のトップレベルにあることは広く知られている。それと同様、マンションもまた日本が世界に誇る工業製品であるのに……。