世の中にはいろいろな風習というものが残っていまして、現役のものもまだまだたくさん存在しています。これは、特に結婚式とか大きな行事などの席で感じることなのですけど、昔から行なわれてきた習慣というものには大きな力があると思えるのです。結婚式では引き出物とセットで考えられる内祝いというものは、あらかじめお祝い品をもらうという考え方のもと、お返しを先に渡しておくことによって、ご祝儀と交換をするという形をとっているのです。これは、内祝いという習慣の本来のあり方を忠実に再現しているということにもなり、一見すると妙な感じにも見えないことはないのですけど、古来より日本人の持っていた社会観というか、人間同士の付き合い方というものにおける考え方の一端をみるということができるように思えるのです。確かに、お返しの意味があるものを先に渡すというのは今の我々から考えると不自然なのですが、昔の人たちの人間関係の深さとか、相手に対する思いやりとか、いろいろな考え方がそこに凝縮されていると思われます。