メディアのデジタル化か進み、ブロードバンドが普及したことで急浮上した「通信と放送の融合」議論ですが、2006年6月をもってその熱も一気に冷めてしまった感があります。「なぜインターネットでテレビの生放送が見みられないの?」という竹中平蔵総務大臣(当時)の素朴な疑問からスタートした、大臣主催の「通信、放送の在り方に関する懇談会」(竹中談)が示した報告書が拍子抜けするものだったからです。竹中談は、通信業界と放送業界というまったく異なる制度の下で異なる企業文化を育んできた、両者の溝を埋める役割が期待されていました。遅々として進まない通信と放送の融合に、構造改革の旗手として突破口を開いてくれるものと誰もが信じていました。技術やインフラの面では、両者の隔たりが取り払われたはずの21世紀になっても、両業界の間に横たわる溝は、制度や文化の面に加え、放送業界の既得権死守という構図のなかで、「融合」によってもたらされるべきユーザーの利益は遠ざけられたままなのです。
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